時計を少し読めるようになりました(知的障害1年生)

当初は、 数の概念が全く無く、1も理解出来てなかったので、「1つちょうだい。」と、言っても、1つだけ渡す事が出来ませんでした。ひらがなも全く読めません。
 お母さんが、「読み書きそろばん。せめて、時計でも、読めるようになって欲しいんです。」と、言われましたが、其の時、私は、「お母さん。この子は、1も2も解ってないんですよ。今のところ、数の概念が、全くないので、1から教えないといけないんです。時計くらいって言うけど、時計を読めるには、数の概念がかなり発達しないと無理ですよ。かなり時間がかかりますよ。」と、申し上げました。
 数を、1、2、3から教え始めました。本児は大変興味をもって、面白がって1、2、3を次々押さえます。そうする内に、1が解り、しばらくすると、2も3も理解できました。この間、数ヶ月。
 さらに、4以上の数を数える事を教えると、何でも数えるのが、大好きになりました。目の前にあるもの、何でも、1、2、・・10と、数えます。さらに、100まで教えると、11・・・30・・100と、数えるようになりました。学校でもお家でも、しょっちゅう数えて、お父さんもお母さんも、学校の先生もみんな驚く程、数を数えるのが大好きで、上手になりました。
 数がかなりよく理解できてきたので、最近は、時計を教え始めました。今のところ、1時、3時とか、丁度の時刻だけ、読めるようになりました。本児は、今や数の概念も良く解って来たので、数ヶ月後には、きちんと時刻を読めるようになると思います。今後が楽しみです。脳力開発研究所